不動産の営業マンは「両手」物件を紹介したいのです。
「両手」物件を決めたい!! 契約したい!! のです。
なぜなら、「両手」物件のほうが「片手」物件に比べて、報酬が倍だからです。
中小規模の仲介業者の営業マンももちろんそうですが、大手仲介業者になるとこれが顕著なのです。
エグイくらいに顕著です。
ほんとエグイです!!
不動産仲介会社の収入源である「仲介手数料」は、不動産を売買した場合に、
買主・売主のそれぞれが依頼した仲介業者に支払うものです。
上の図が不動産取引の一般的な流れです。
多くの不動産取引の場合、買主が依頼した仲介業者と、売主が依頼した仲介業者は異なることが多いのです。
ですから売買契約された場合には、仲介業者は当然ですが買主もしくは売主の一方側からしか、
仲介手数料を受け取ることができないのです。
仲介手数料を片方からのみ受け取ることから、不動産業界では「片手」取引と呼ばれています。
しかし物件によっては、買主が依頼した仲介業者と、売主が依頼した仲介業者が同じ場合もあるのです。
下の図のように一つの仲介業者が、買主と売主の両方の仲介をするケースもあるのです。
この図のケースでは、
仲介業者は買主・売主の両方から手数料を受け取ることが出来るのです。
先ほど説明した「片手」取引は、売主・買主のどちらか一方からしか、仲介手数料をもらうことができませんでしたが、
なんと「両手」取引では、買主・売主の双方から仲介手数料をもらうことができるのです。
このようなケースは「両手」取引と呼ばれています。
「片手」取引に比べて、報酬は倍です。
同じ契約を行っても、入ってくる仲介手数料は倍になるのです。
仲介業者にとってはまさしく「1粒で2度おいしい」最高の取引形態なのです。
大手不動産仲介業者は、この「両手」物件を多く抱えています。
なぜなら、彼らは膨大な宣伝費と、知名度を生かして、多くの売主からの売却依頼を受けているからです。
すでに多くの売主を抱えているのですから、あとはその物件の買主を見つければ、「両手」取引になるわけです。
よその不動産屋が抱える「片手」物件なんて基本的には紹介しません。
自分の会社が抱ええる売却依頼物件しか紹介しないのです。
買いたいというお客様が来ても、「両手」取引になる物件しか紹介しないのです。
営業マン心理としては当然の行為かもしれませんが、お客様としては大迷惑です。
迷惑どころか、損をする可能性もあるのです。
得てして、「片手」取引にしかならないほうが優良物件だったりするものです。
良い物件・悪い物件を別にしても、隠されるのは腹立たしいことです。
しかし、実際に横行しています。
お客様・消費者・検討者とって大きな問題となるのが、「両手」物件なのです。
「両手」取引そのものは、まったく違法なことではありません。
しかし、その「両手」取引によりお客様・消費者・検討者が、大きな不利を被ることがあるのです。
例えば、同じような条件・価格の「両手」物件と「片手」物件があったとします。
営業マンが本当に売りたい物件は、少しでも多くの仲介手数料が入る物件なのです。
営業マンの給与査定はこの仲介手数料の金額で決まるのですから、できるだけ多くの仲介手数料を望むのです。
当然「片手」物件よりも「両手」物件のほうが仲介手数料が多いわけですから、
「片手」物件は全く紹介せずに「両手」物件だけを積極的に勧めてくるのです。
これは非常に顕著で、中小の不動産仲介業者でも同じことがいえます。
仮に、お客様に「片手」物件・「両手」物件の両方の物件を紹介して、
「片手」物件のほうをお客様が気に入ってしまったら営業マンは非常に困るのです。
ですから・・・
初めから「片手」物件は全く見せずに、報酬が倍になる「両手」物件だけを見せるのです。
「両手」物件を強引に勧めるという営業スタイルは、大手仲介不動産会社で多く見られます。
上記のしましたが、売却依頼物件を多く抱えているのでそうなうのですが、
会社の方針で行っているところがほとんどです。
もちろん会社としても収益が多いほうが良いので、そうなるのも致し方ないのでしょう。
また、売却依頼を受けているお客様に対しては、「両手」物件ばかり紹介するほうが良いでしょうが、
迷惑なのは、物件を買いたいと探しているお客様のほうです。
売りのお客様は良いでしょうが、買いのお客様は大迷惑です。
ほかの不動産会社が良い物件を持っていても紹介してもらえないのですから、
良い悪い別にして、自社で抱えている売却依頼の「両手」物件しか紹介してもらえないのですから・・・・・
また、その他の要因もあります。
大手不動産仲介業者の営業マンは高給取りです。
20代・30代の高卒でも、1,000万円プレーヤーはざらにいます。
大手の不動産仲介業者の営業マンは歩合給の場合が多く、
しかもとても大きな歩合給をもらっているのです。
売れば売るほど、仲介手数料を稼げば稼ぐほど、給料は上がります。
売ったもの勝ちです。売ることがすべてです。仲介手数料の多さでしか評価されません。
ですから、自分の営業成績にこだわるのです。仲介手数料の金額にこだわるのです。
同じ労力で営業成績が【倍】になる「両手」物件ばかりを紹介するのです。
このロジックお判りいただけましたか?
大手不動産仲介業者の営業マンなんて、買いのお客様のことなんて基本的には考えていません。
どうでもよいのです。
自分の成績、契約、手数料が一番です。
つまり買主側が希望する物件と、仲介業者の営業マンが売りたい物件は、必ずしも一致しないのです。
はっきりと言いますが、「両手」物件よりも「片手」物件のほうが魅力的な物件の多いものです。
過去に不動産検討、あるいは物件探しを経験したことがある方は、このような感想を持ったことがないでしょうか。
「こちらの希望に合う物件を紹介してくれない」
「自分でインターネットで見つけた物件を紹介してくれない」
「自分で見つけた物件を紹介してくれとお願いすると、すぐに売れたと言われて」
「チラシやインターネットの物件は、完全否定する」
「ほかの不動産屋に行くと、違う物件がたくさんある」
「売れたと言われた物件が、ほかの不動産屋に行くとあった」
このような対応は、「片手」物件を隠しているのです。「両手」取引になる物件しか紹介しないようにしているのです。
これを業界では『囲い込み』と言います。
多くの方が、不動産を購入するときには、気にすることのない「両手」「片手」の仲介手数料の仕組み。
しかし、そこに大きな問題があるのです。
良くない「両手」物件を売りつけられ、良い「片手」物件を紹介してもらえない・・・
そうならないようにお気を付けください。
囲い込みの疑惑が・・・・
えっ・・・疑惑???
そんな疑惑、業界には一切ありませんから!!
常識ですよ!! 業界の常識です!!
疑惑ではなく、常識です!!
囲い込みをしていない大手不動産仲介業者なんて、
この国にはありませんから!!