住宅購入時の諸費用を整理すると以下のようになります。合計すると、仲介手数料のかからない新築で購入価格の3%、仲介手数料がかかる場合は、新築でも6〜10%程度はみておく必要があります。中古住宅は原則的に仲介手数料が必要で、入居前に簡単なリフォームなどが必要になることもあり、さらに1〜2%程度上乗せして考えておくのが無難でしょう。ここでは各種手数料と、引越し関係費用についてふれておきましょう。各種手数料のなかで、最も大きいのは仲介手数料。400万円超の物件購入の場合には、購入価格(消費税抜き)の3%に6万円をプラスした金額になります。ただ、なかなか売れない時代ですから、仲介市場でも買い手優位の環境が続いており、交渉の余地はありそうです。
仲介手数料がかかるのは中古物件のみと考えがちですが、実はそうではありません。新築物件でも、建売住宅には仲介物件が少なからずあります。広告で社名の上などに、「仲介」「媒介」などとあれば、仲介手数料がかかる物件となります。反対に、中古物件でも、下取りなどですでに不動産会社が所有している場合があります。その場合には、売主は業者ですから、仲介手数料はかかりません。金額が大きいだけに、必ず確認するようにしてください。
また、注文住宅なら建築確認費用がかかりますし、そのほかフラット35の適合検査や、住宅性能表示制度を利用するときには、その評価費用などが必要になります。これらは、物件の条件などによって金額も違ってきますから、事前にどれくらいかかるのか、目安を聞いておくといいでしょう。耐久消費財などは事前に調査して予算を立てておく引越し関係費用には、新居に必要な耐久消費財の購入費用、引越し業者への引越し代金のほか、注文住宅なら地鎮祭・上棟式などのイベント費用がありますし、建替えならそれに解体費用や仮住まい費用などが加わります。
さらに、引越し前後のご近所への挨拶、また転居を知らせる挨拶状などの費用も必要になります。細かいことですが、一覧表を作成しておき、予算の目安を書き出して、漏れのないようにしておくと安心でしょう。こうした費用のなかで最も大きいのは、耐久消費財の購入費でしょう。特に、マンションから一戸建てに移る場合には、照明器具、エアコン、カーテンなどの買い増しが必要になり、意外にコストがかかるので、注意が必要です。旧住宅金融公庫の調査による、平均購入額を下の図で紹介しておきました。これが一つの目安になりますが、どこまで予算をかけるかは、人それぞれです。
ただ、むやみに買いまくると予算がショートしかねませんから、事前に量販店や住宅設備機器メーカーのショールームなどに足を運んで、予算に目安を立てておくのが無難です。一度確認しておかないと、自分たちが考えている予算帯とまったく違っていたということもあるので、注意してください。また、引越し代金については、いうまでもなく、作業内容を指定したうえで、何社かに見積もりを依頼して、比較検討しながら決めるようにするべきです。業者によって、同じ作業でも数万円から10万円ほど違ってくることもあります。また、シーズンや曜日、時間帯によってもかなりの差があるので、その点も考慮しておくべきでしょう。