無理なく返せる住宅ローンの総額を知ることが重要

無理のないローン

「借りられる額」と「無理なく返せる額」は別ものです!!

住宅ローンを検討するさいに絶対に忘れてはいけないのは、「借りられる額」と「無理なく返せる額」は別のものであることです。「無理なく返せる額」は、ライフスタイルやお金の使い方なども影響してきますし、マイホーム購入後に増えるコストも考慮に入れて計算しなければいけません。毎月無理なく支払えるローン返済額は、@「毎月支払える住宅費」から、A「取得後の維持費」を差し引いたものとなります。

 

まず、@の「毎月支払える住宅費」がいくらなのか計算します。これは、現在の家賃と駐車場代に、マイホーム取得のため毎月積み立てていた金額をプラスして算出します。続いて、Aの「取得後の維持費」。これは、住宅を取得することで増える支出です。一戸建て住宅なら、10年後、20年後といった将来の修繕費を準備しておく必要があります。また、家が広くなれば照明や冷暖房費もこれまでより多くかかり、光熱費などに1〜2割程度の増加分も見ておきたいものです。さらに、繰り上げ返済を考えている人は、そのための貯蓄費も計画に入れておきましょう。

 

ローンの返済以外に必要なお金

住宅ローンの無理

 

住宅ローンの返済以外にかかるものとして、固定資産税・都市計画税があります。マンションなら管理費・修繕積立金が発生し、駐車場・駐輪場代もかかってきます。マンションと一戸建て住宅を同じ立地で比べたら、もちろん一戸建てのほうが高額となります。敷地を何十世帯、何百世帯で共有しているマンションに対して、すべて個人で所有する一戸建て住宅では、価格全体に占める土地のウェイトが高い分だけ一戸建てが高額になるわけです。土地が高いと固定資産税評価額も高くなり、それとともに各種の登録免許税も高くなってきます。「無理なく返せるローン総額」は、たとえば借入金2598万円の場合、「毎月無理なく返せるローン総額」が10万円として、返済期間35年、固定金利3%で試算すると総額約4200万円です。これが、「無理なく返済できる住宅ローン総額」となるのです。

 

 

「いくら借りられるか」より「無理なく返せるか」が重要!!

無理のない返済

 

月々の負担は金利と返済期間の長さで決まります。月々の返済額を低く抑えるには、金利は低いほどよく、返済期問は長いほうがいいわけです。ただ、返済期間は年齢によって短縮されることがあるので要チェック。また、返済期間が長ければ、総返済額は大きくなることも頭に入れておきましょう。

 

変動金利を選ぶなら金利切り替え方式も確認

一筋縄ではいかないのが金利の選択です。銀行ローンでも「全期間完全固定金利」が登場しましたが、現在のところ、変動金利より金利は高めとなります。低金利が続くような状況では、固定金利選択型も、固定期間が長いほど高金利になってしまいます。現状では、一般的に言って、同じ金額を借りるなら、固定金利より変動金利のほうが返済額が少なくなるわけです。

 

ただし、変動金利は将来の予測ができないのが不安材料です。当面の返済額が安くても、将来的に上がる可能性は否定できません。ただ、過去10年以上、おおむね変動金利が固定金利を下回って推移していたという現実もあります。また、もし金利が下がっても、固定金利は変わりませんが変動金利は下がることが多いのです。固定金利よりずっとトクする可能性も小さくないわけです。「何より計画性が大事というあなたなら、固定金利がいいでしょうが、「戦略的にトクを狙おう」と考えるなら、まずは変動金利や短期の固定金利選択型から始める方法もあります。ただし、金融機関によっては、一度変動金利ローンを借りてしまうと、固定金利選択型に乗り換えられないところもあるので、必ず事前に確認しましょう。

 

50代前半までにローンを終えること

理想の物件が購入できて、住宅ローンの返済が始まっても気持ちを緩めないで! 35年ローンを組んだからといって、律儀に35年かけて返済する必要はありません。毎月の返済に加え、余分にお金を返す繰り上げ返済により、返済期間を短縮することができます。

 

例えば35歳の時に金利2%で2000万円を35年ローンで借りたら、毎年100万円ずつ繰り上げ返済をしていくと10年で500万円も利息が少なくなり、返済期間は19年近く短くなるので、50代前半で返済が終わります。そこから老後資金を貯め始めても、退職金と合わせて十分なお金が作れます。誰だって幸せな生活を夢見てマイホームを買うはず。その夢を自らの手で壊さないように慎重に行動しましょう。

 

キャンペーンの優遇金利の利用価値は?

また、最近の銀行ローンは、ほとんど常時「キャンペーン中」。その多くは期間中に借り入れれば、店頭金利より低い優遇金利を適用するというものです。その優遇率も適用期間も、以前より拡大される傾向にあります。ただし、優遇を受けるためには、その銀行に総合口座を開き給与振り込みや公共料金の引き落としに利用するなどの条件をクリアしなくてはなりません。もともと取り引きのある銀行で、条件に合うローンがあるなら別ですが、わざわざメインバンクを移す価値があるかどうかは一考が必要でしょう。

 

返済方法の選択肢にも注目しよう

銀行ローンでも元金均等返済を採用しているところが一部あります。早めに返して先々楽したい人にはお勧めです。また、旧公庫では廃止された「ステップ返済」も、銀行ローンには残っています。返済当初の負担を減らすだけでなく、返済途中で一時的に返済額を減らしたり、増やしたりできるサービスを設けている金融機関もあります。

 

さらに、近頃注目を集めている「繰り上げ返済」のしやすさも、金融機関によって差があります。とくに、固定金利選択型ローンでは、特約期間中の繰り上げ返済には高額の手数料がかかるのが一般的ですが、それに対し、いついくら返しても無料、というところもあります。繰り上げ返済を視野にいれているなら、見逃せない条件の1つです。

 

 

自分が借りられる金額の上限を計算してみよう

住宅ローンを組むときに考えたいのは、いくらまでなら無理なく返済できるかです。下のチェックシートでは無理なく返済するときの妥当な借入金額上限を計算できます。

 

このチェックシートにある年収負担率とは、年収に対しての年間の返済額の割合です。これが高すぎると負担が大きくなり、返済が難しくなってきます。たとえば、【フラット35】の基準では、年収400万円未満は「30%」、年収400万円以上は「35%」を上限にしていますが、この年収負担率で借りると生活が苦しくなる可能性が高くなります。年収負担率の妥当な割合は年収にもよりますが、目安としては20〜27%だといわれているので、このあたりで計算したほうが無難です。

 

また、1ヵ月あたりの返済上限額を計算するときは必ず維持費用も考慮します。維持費用には、固定資産税や都市計画税、マンションの場合は管理費や修繕積立金などが含まれます。購入前には計算しにくいものもありますが、おおよその額として2万円程度で考えてみましょう。

 

妥当な借入金から物件価格の上限を計算する

妥当な借入金を計算したら、そこに自己資金や援助金をプラスしたものが予算となります。ただし、これがそのまま物件価格になるわけではなく、諸経費を考慮します。諸経費は5?8%が相場だと言われているので8%で計算しておけば無難です。これらの計算で出た結果を物件価格の上限として、この範囲内で物件を探していくといいでしょう。

 

他のローンがあるなら考慮して計算する

下のチェックシートはあくまで住宅ローンのみで考えた場合のものです。たとえば、車のローンやカードローンなどの返済がある場合はそれらも考慮しなければなりません。住宅ローン以外の返済がある場合は、1ヵ月あたりの返済上限額から月々の返済額を差し引いて計算しましょう。また、その他のローンの返済があと少しで終わる場合は、返済が完了してから、住宅ローンを組んだほうが無難です。

 

 

収入が低い人でも住宅ローンは組めるのか?

住宅ローンは、自動車ローンや事業ローンなど、ほかのローン(借入れ)とは一線を画す、特別なローン”です。年収の何倍にもあたる住宅の購入費を、一般の人が無理なく調達できるようにと、ほかのローンよりも金利か低く抑えられ、家計を安定させるために返済期問も長く設定できるようになっています。

 

住宅ローンを借りられるかどうかは、収入額との相談になります。「低所得だから借りられない」ではなく、収入に見合った借入れをするという考え方です。ある金融機関では、住宅ローンを貸し出す最低年収を400万円としていますが、仮にあなたがその基準に達しなければ、基準をより低く設定している金融機関に相談したり、収入が低くても借りられるローンを選べばよいのです。仮に収入が金融機関の基準に満たなくても、ほかの審告基準に合致していれば貸してくれる可能性があります。

 

契約・派遣社員の人は難しい

審査基準は、収入が多い・少ないだけではありません。数年前、「フリーター、家を買う。」というドラマがありましたが、主人公が実際に家を買うのは、物語が進んで正社員になった後でした。?止社員。も審査基準の一つです。アルバイトやパートのような収入が不安定な就業形態で住宅ローンを組むのは、簡単ではありません。

 

同様の理由で、自営業者、成果報酬型の正社員、契約社員、派遣社員、フリ上フンサーもやや不利な傾向にあります。ただし、ローンを組めないわけではありません。借入額を少なくしたり、過去3年間の納税証明書や確定中告書のコピーを提出するなどして、自分の返済能力を客観的に証明できれば問題ありません。

 

反対に、雇用上安定している正社員や公務員も、産休・育休、病気療養などで仕事をしていない問は、「収入の継続性がない」と判断され、お金を借りにくくなります。


大切なのは借りられる額ではなく返せる額

 

購入後の家計が破綻しないようにするためには、現在の家計に応じてどこまで借りても大丈夫かを把握しておく必要があります。つまり、自分の年収などで「いくらまで借りられるか」ということではなく、「いくらまでなら安全に返せるのか」をもとに、借入可能額を割り出すということです。

 

そのためには、まず現在の家計から年間の住宅関連支出を割り出してみましょう。その要素としては、現在の家賃支払額、共益費などの負担、クルマを持っているならその駐車場代金、頭金づくりのための貯蓄額などが挙げられます。貯蓄額に関しては、あくまでも頭金づくりだけに限定し、子どもの教育費、老後資金などのための貯蓄は除いておきます。購入後の住宅関連支出が、この範囲内に収まれば、まずは安心ということです。では、購入後の住宅関連支出がどうなるのかといえば、支出はローン返済だけではありません。それ以外にも固定資産税や都市計画税の負担が出てきますし、長期的な視点から住宅の補修費用の積立てもしておきたいところです。ですから、現在の住宅関連支出額から、ローン返済額以外の支出額を引いた金額が、年間のローン返済額の限度になります。

 

たとえば、年間150万円の返済が上限という結果になり、金利2%、35年返済のローンを組むとすれば、その借入額の上限は3774万円という計算になります。頭金として1000万円の自己資金があれば、4778万円の戸建てが購入可能額になります。先に触れたように、住宅ローンを利用すれば、ローン控除の適用を受けることができます。その分を考慮すれば、もう少し借入可能額、購人可能額を増やすことができますが、入居年次によって控除が異なる点に注意しておいてください。

 

みんないくらくらいの住宅ローンを借りてるの?

 

【注文住宅】借入額の平均は約2000万円です

借りれる金額

 

借りられる金額は借りる人の年収や家計状況、今後の出費の予定などによって違ってきます。とはいえ、家を建てた先輩たちがいくらくらいの家を建て、いくらの住宅ローンを借りているもののか気になる、という気持ちはよくわかります。

 

そこで、平成24年度の国土交通省「住宅市場動向調査」からのデータを見てみましょう。注文住宅の場合、住宅ローンの借入額は平均2069万円となっています。年間返済額は平均110万円で毎月返済にならすと約9万1600円です。同じ調査では、総資金額のうちの借入額の割合は平均57.3%となっています。つまり、平均で4割強の頭金を用意している、ということになります。最近は住宅取得費の100%を融資してくれるケースが一般的ですが、実際には、無理のない返済計画にするために、頭金を用意して足りない分を住宅ローンから、という人が多いのです。

 

注文住宅の場合の借入額の平均は、平成23年度の調査では2604万円。平成24年度は2069万円にダウンしている。年間返済額も平成23年度の113万円より減って110万円となっている。

 

平成24年度の注文住宅の場合の頭金の割合は42.7 %、返済負担率は平均19.1%。頭金をきちんと用意して、金融機関が融資してくれる上限金額よりも少なめに借りていることが推測できる。

 

国土交通省の「住宅市場動向調査」は毎年行われており、住宅取得者の平均年収や資金調達方法などのデータもある。 webサイトの「e-Stat」(「政府統計の総合窓口」で検索)で確認できる。
 
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