二世帯住宅は完全分離!!【間取りプランのポイント】

二世帯

 

二世帯住宅は完全分離で

東日本大震災以降、親子はもちろん、兄弟姉妹まで含めた、同居が増えつつあるように思います。頼りになるのはやはり親族という考え方の下、多世帯問で協力し合い、楽しく暮らしたい、という思いが強まっているようです。二世帯住宅の計画づくりでは、まず同居といってもどの程度の同居にするかという点を決めなければなりません。個室以外には、玄関、ダイニング、キッチン、トイレ、浴室、洗面と、さまざまな共用スペースがあります。これらを、すべて共用にする完全同居からすべて分離する完全分離まで、二世帯住宅にはさまざまなタイプがあるのです。類型化していえば、全国で事業展開する住宅メーカーは比較的割り切ったプランを描きますが、地域に根差した工務店はその地域の慣習を踏襲しがちです。割り切ったとしても、せめて玄関くらいは共用に、と1つの玄関に2つの世帯用の間取りを組み合わせたプランを提案しがちです。

 

しかし実際には、完全分離型を望まれるケースが増えてきたように思います。どのスペースも共用しない独立した住戸が2つ、上下・左右に並ぶタイプです。上下階同士または隣同士という、最も距離の近い「近居」の一種です。この完全分離型は、住宅の資産としての側面からも支持されるようになってきました。相続税対策として、資産活用策として注目できるからです。二世帯住宅を考える場合、将来にまで目を向けておく必要があります。同居する親が亡くなれば、その土地・建物の親の持ち分を相続することになるからです。そのとき、相続税の申告が必要になるかどうかは遺産総額次第ですから何とも言えませんが、税制改正にですから、2015年1月1日以降の相続からは申告対象が広がるとみられているだけに、これまでなら無縁でいられた層も要注意です。

 

相続税では、遺産の評価額が税額計算のもとになります。遺産が土地であれば、国が公表する相続税の路線価で評価額を決めます。ただ一定規模までの宅地であれば、その評価額が2割にまで圧縮される特例措置が適用されます。この特例措置が適用されるか否かが、相続税対策のポイントです。特例措置ですから、適用条件が定められています。親の土地を子が相続する場合には、親子が同居していたか、子に持ち家がないか、どちらかの条件を満たす必要があるのです。親子が二世帯住宅で同居していたのなら、この同居という条件を満たしていそうですが、その取り扱い上、完全分離型は同居とみなされていませんでした。つまり、完全分離型では、特例措置の適用を受けることができなかったのです。ところが、その取り扱いが2016年1月1日以降の相続からは見直される見通しです。完全分離型でも特例措置が適用されるようになるのです。二世帯住宅で暮らしていれば、同居のスタイルがどのような形態だろうが、同じように相続税対策を講じることができるようになります。

 

二世帯住宅は資産活用にもなる

完全分離型はもう一つ、資産活用としての展開可能性を持っています。子世帯との間で共用部分を持たない独立した住戸ですから、親世帯が亡くなった後、その住戸を第三者に賃貸することができるわけです。もちろん、立地条件によりけりです。借り手が付きそうにない立地であれば、資産活用としての展開可能性はそう大きくないかもしれません。ただ、借り手は何も、そこを住居として利用しようという個人に限りません。高齢者や子どもの多い郊外であれば、介護や子育てを支援する活動を展開する団体に活動拠点として賃貸するという道も考えられます。立地条件をアイデアで生かすという発想があってもいいでしょう。自宅の一部を第三者に賃貸するというのは、都心部でもない限り、これまでは考えられなかったことかもしれません。しかし、せっかくの資産です。生かさない手はありません。今後の雇用環境を考えると、収入を得られる手段はいくつあってもいいのではないかと思います。投資して取得した不動産ではありませんから、片手間にできることではないかもしれませんが、事業リスクはないに等しいといっていいのではないでしょうか。こうした資産活用も、完全分離型だからこそ、可能です。玄関にしても、水回りにしても、どこかを共用している二世帯住宅では、とても考えられません。建設時点から賃貸を意識した造りにしておくと、さらにプラスに働くでしょう。

 

 

完全分離型の二世帯住宅はつまり、相続税の負担や給与収入の減少という家計りスクヘの備えとして有効になっていきそうなのです。とりわけ都市部では、こうした観点からも二世帯住宅の型を決めるのが良さそうです。完全分離型をという要望が結果的に叶えられなかったことから、同居を始めたもののうまくいかないケースは後を絶ちません。二世帯住宅で妻の50代の親と同居した夫は、毎日帰宅時刻が遅いのがはばかられ、遅くなっても安心して帰宅できる単身用のアパートを近所に借りることになったといいます。なぜそうなってしまったのでしょうか。聞けば、玄関共用のタイプだったので、遅くに帰るのがはばかられたようなのです。義理の親との同居だけに、遠慮が生じたのでしょう。こうした事態に至っては、親世帯・子世帯ともに住み心地は良くないはずです。要望と提案が食い違うのは、どこまでを共用にし、どこからは分離するのがいいかという二世帯住宅の基本原則を、工務店が理解していないからです。

 

 

二世帯住宅のプランニングが一番難しい!!

価値観の異なる2つの家族が共に暮らす二世帯住宅。お互いの独立性を保ちながら豊かな触れ合いもほしい、という欲張りな住まいの形は、家族全員がホンネで話し合うところから、少しずつ姿をあらわしますお互いの違いを認め合う ところからスタート二世帯住宅はとこを共有し、どこを分離させるかによって、イラストのように6つのタイプに分けることができます。一つ屋根の下に、2世代・3世代がにぎやかに暮らす同居型から、プライバシーを尊重した完全分離型まで、距離感はそれぞれ。ライフスタイルに合わせ、賢く選択したいものです。そのためには、お互いの生活パターンを把握し、違いを認め合うところからスタート。平日と休日のタイムスケジュールを紙に書いてみると一目瞭然です。食事の好みや調理の得手不得手、来客か多いか少ないかなども話し合って。どこを共有できるか、別々にするべきかを判断する目安になります。

 

 

価値観のズレがでやすい 水回りと音の問題

二世帯住宅の設計では遠慮があってホンネを言えない、という人が出てくるものです。建築家やハウスメーカーの営業マンに開に入ってもらい、個々の意見を引き出してもらいましょう。不満を抱えたままプランか進行すると、将来に悔いを残すことになりかねません。とかく建築費用のかかる水回り。キッチンは別々に設置しても、浴室と洗面脱衣室は、コストダウンを考えて共有という住宅は多いものです。ただし「長風呂が楽しめない」「落ちている髪の毛がイヤ」など感覚的な文句の出やすいスペース。家庭によっては少々贅沢でも、2ヵ所に設けた方が正解ということも考えられます。トラブルで目立つのが「音」。日常の生活音に加え、小さな子どもがいれば飛び跳ねる足音や、ものを落とす・引きずるなど騒音は避けられません。特に親世帯が1階、子世帯が2階と上下で住み分ける場合は、部屋の配置に工夫か必要です。

 

一方、二世帯住宅は困ったときにすぐ助け合える、共働きの子育てをサポートしてもらえる、人生経験豊かな祖父母と触れ合うことで、子ども達がマナーや伝統文化を身につけられるなどのメリットが。独立性の高い二世帯住宅でも、親世帯と子世帯が自然と出会える中庭やデッキなどは設けたいもの。内部に行き来のできるドアをつくる住宅も。交流の楽しめるプランを一考してみましよう。

 

 

マネーはここをチェック!!

●建築費と諸費用

頭金はどちらがいくら用意する? ローンの返済計画は? 諸費用も見逃せません。あらかじめ書き出して、分担を決めておきましょう。

 

●固定資産税と都市計画税

家を所有すれば税金を支払う義務が。区分登記をするには、設計上の制限があります。共有名義の場合は、その割合をどうするかマネープランの段階でクリアにしておきます。

 

●メンテナンス費用

家を維持するためには、10年、20年後に100万円単位のメンテナンス費用が必要。一緒に積立貯金をするなど、あらかじめ計画しておきましょう。

 

●光熱費、通信費

電気、ガス、水道などメーターを世帯別にしておくとトラブルが防げます。同居型であれば、いくら分担するか決めておきます。

 

●相続対策

ほかに兄弟がいる場合、将来、土地と建物の相続をめぐり問題になるケースが。建てる前に家族会議を開き、了解を取っておくと安心

 

二世帯住宅のライフスタイルはここをチェック!!

口起床時間と就寝時間

 

口来客は多いか少ないか

 

口洗面や浴室を使う時間帯  

 

口寛ぎスタイノレは床座か椅子か

 

口食事の好みや、調理の得手・不得手

 

口趣味のスペースが必要か

 

口家で過ごす時間が長いか短いか 

 

口収納スペースはどのぐらい必要か

 

口休日の過ごし方

        

 

窓・建具・床材を知って おしゃれなインテリア空間を演出

住まいの印象にも関わってくるのが、窓や扉。床といった細かな部材です。プランニングと一緒に考えたい場所でもあるので、それぞれの種類と役割を知って、居ごこちのよい空間を手にいれましょう。

 

目的や形、開閉方式で 窓の種類は多種多様

窓は、窓枠であるサッシとガラス、大きさやデザイン、問閉方式、設置場所などさまざまな要素の組み合わせでできています。窓を選ぶことはこれらの組み合わせを選ぶことであり、住宅プランのなかでももっともバリエーションが豊富な部材です。そのため、形や大きさの選び方によって、室内の雰囲気や外観の印象は大きく変わります。部屋のどこに取りつけたいのか、どんな機能・デザインがはしいか、問取りと一緒に多面的にチェックが必要です。

 

 

注意したい契約時の私の失敗談

営業マンの印象がよく、プランづくりも順調に進みました。いくつ か要望は出したのですが。メモを取っていたので任せたままに。そ して先方の指定日に契約し、着工。しかし現場へ見に行くと窓が小 さかったり、勝手口の出入りが不自由だったり、収納がなかったり ……。設計図を確認すると要望がまるで反映されていません。しか し、契約時に確かにこの設計図はあったのです。結局、追加工事も わずらわしくてそのままになってしまいました。(安佐北区/河合さん)

 

 

建て替えを急ぐあまり、担当者に「工事を始めるにはまず契約が必 要」といわれるまま安易に契約していましました。その時は、現場を担当する職人はベテランで、柔軟に対応できるので、いつでも変 更できるといわれたのですが、追加工事は別途費用になるし、何か と理由をつけて、結局は追加工事もしたがらないのです。契約後は 施工先の立場が強くなるというのは本当でした。プロなら何でもできると思わず常識レベルで考えるべきでした。(府中町/Aさん)

 

 

知り合いの建築家に設計を頼みましたが、工務店は近所のところを 使うことにし、工事請負契約も自分で工務店と交わしました。しか しふと不安になり手元の資料を見ると、約款がありません。すぐに建築家に相談して工務店に交渉をした結果、不備を認めて契約書を 作り直してくれました。もし気づかないまま、工事中にトラブルが 起きたり、住んでから不具合が出たりしたらと考えるとぞっとします。事前の確認が大事だと実感しました。(安佐南区/Bさん)


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